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いつものように修理を頼まれました。
「プレーヤーなどの回転系は苦手だから」
と一度は断りましたが、
例によっておだてられて「ダメ元なら」と引き受けてしまいました。
いつものようにドツボにはまり
「肩凝りしまくり」の修理となりました。
所謂全交換に近い修理です。
これならだれでも直せるでしょう?
ほぼ全部交換したんですから。
経験やノウハウとは無縁のサバイバルな修理です。
![](https://chappynyan.com/wp-content/uploads/2019/03/PL002.jpg)
症状を確認してバラシます。
見た目は大変綺麗なプレーヤーですが、バランスウェイトの付く部分がこの機種にありがちな
「尻下がり」の状態です。
これにはかかわらないという約束ですのでそのままにしますが
「何か?気になりますよねえ。この下がり具合」
ま、とにかくバラしていきます。まずはトーンアームを基台部分ごと
外します。
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![](https://chappynyan.com/wp-content/uploads/2019/03/PL004.jpg)
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![](https://chappynyan.com/wp-content/uploads/2019/03/PL006.jpg)
症状の方は、スイッチオンで回転数を選択すれば
徐々に回転が上がり始めて暫くすると
ボディーごと揺れるくらいに高速回転します。
「なんか怖い感じ!」すぐにスイッチを切ります。
「これは、回転の制御基板が怪しい」と目星をつけて
早速犯人捜しです。
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![](https://chappynyan.com/wp-content/uploads/2019/03/PL008.jpg)
辿り着きました。1枚基板のシンプルな構成ですね。
先ず第一番にツェナーダイオードを発見しましたので、
これを交換します。
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一度、電源を入れて回転が正しくなったかを確認します。
今回はこんな地道な修理です。
これでビンゴだったら「チョロいのになあ」スイッチを入れてみて・・
あー。直っていません。
そう簡単には行きませんよね。
![](https://chappynyan.com/wp-content/uploads/2019/03/PL013.jpg)
彼方此方見回しています。
このクリスタルとICがダメならアウトですね。
この部品はたぶん手に入らないでしょう?
(クリスタルは探せば入手できるかな?)
地道な作業に戻ります。
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途方に暮れて、電解コンデンサの全交換です。
その次は半ばやけっぱちで半固定抵抗のチェックです。
簡単に交換したいところですが、
あいにくこの形の同じ値のモノがなくて
(もう少し小さなものしか手持ちに無い)外してテスターで確認して取り付けました。
![](https://chappynyan.com/wp-content/uploads/2019/03/PL015.jpg)
ここまでやってもまだ駄目です。
次は小信号用トランジスタの全交換をします。
少し飽きてきました。
最近は持続力がめっきり無くなりました。年ですね。
![](https://chappynyan.com/wp-content/uploads/2019/03/PL016.jpg)
小信号トランジスタを交換してもまだ回転が速くなります。
「それでは!?」と1Wクラスのトランジスタを
すべて外してチェックしましたが異常なさそうでした。
ならばと「クリスタル」を外して
ディップメーターで「発振を確認-OK・・」でも回転は元のままです。
かくなる上はやはりOSC用のICが不良なのか?
この部品は入手できないし
データシートもネット上には落ちていませんでしたので
チェックするなら大変な作業になります。
「万事休すか?」と思いながら眺めていると、
まだチェックしていない部品がありました!
「4558」です。
まさか壊れていないだろうと信じていた部品です。
これはDタイプとDDタイプが使われています。
DDやDAは手元にありますがDが無い!
仕方がないからDの処にはにはDAを付けることにします。
「この二つを一気に取り換えて動作確認・・」あれれ!直ったぞ!
「めでたし、めでたし!」
ただ、直ったのは良かったんですが、二つ一気に取り換えたからどちらが犯人だったか?
解らずじまいになってしまいました。
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![](https://chappynyan.com/wp-content/uploads/2019/03/PL018.jpg)
肝心のIC
犯人はどちらかの4558だったようです。
肝心のOSC用のICが壊れていなくて良かったです。
「コツコツと片っ端から部品を交換していく」
無知な私の基本的なやり方です。
幾つかやっているうちに
経験値で「スパッ」と故障個所を見つけることもありますが、
基本はこのやり方です。
アンプなんかだと
信号を入れて計測できるから故障個所の発見も幾分早くなるかな?
そりゃ、ボロでもオシロやら持ってるから、もう少し経験を積めば
こんな修理も計測しながらやれるんだろうけど・・。
![](https://chappynyan.com/wp-content/uploads/2019/03/PL019.jpg)
ストロボで確認しても綺麗に回転が合っています。
トーンアームを取り付けてレコードをかけてみました。
良い音していますね。
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「何はともあれ」入手困難なICがが壊れてなくて
手持ちの部品で間に合って
「よかった。よかった!」
依頼者に「直ったよー」と連絡します。
では、また。
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