修理?レストア?自己満足だ! 「パイオニアSA-6800Ⅱ」を弄る 

この程度の事で「レストア」なんて謳ったら諸先輩の皆さんにお叱りを受けるかもしれませんが「私にはこれが精いっぱい」うまくいけば「自己満足の極み」です。今回もたまたま上手くいきましたので事の次第を報告いたします。

電源ランプが点灯せず。音は出るが「ノイズがバチバチ」。天板に錆が出ていてメインスイッチのノブが欠品。というプリメインアンプ「パイオニアSA-6800Ⅱ」の修理を依頼されました。音質が悪いとかノイズが混じるとかの修理は苦手なのですが、いつものようにおだてられて「是非に!」といわれると断り切れなくて引き受けてしまいました。

「出来る範囲で!」と条件を付けていますので「何が何でも完遂!」とガチンコではありませんから、楽しみ半分にでもやってみようか?と思っていますが、仕上がりを心待ちにしている友人のことを思うとそうそうのんびりともしていられませんよね。

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まずは状態の把握

状態の把握から始めます。はじめに電源を入れてみます。異臭や煙こそ出ませんが、なるほど電源ランプが点灯しません。おそらく玉切れだと推測します。玉切れならLEDに交換するとして。フロントパネル周りを見ると「メインスイッチのノブ?」がありません。これは、別の古いパイオニアの機器から拝借しなければなりませんね。

あとは、天板の錆とフロントパネル上部の傷でしょうか?天板の錆はかなり重症な感じです。ペイントがはがれた部分もありますし、サイド部分にも錆が及んでいます。錆とペイントを落として再塗装するより仕方ないでしょう?天気のいいうちに「ささっ」とやってしまいましょうか?

動作確認は、依頼者の言う通り「バチバチノイズ」が、出たりでなかったりの状態です。これは「半導体の劣化の予感」がします。手持ちの部品でカバーできるでしょうか?それほど特殊な部品が使われているようには見えませんし、密度も高くなさそうです。外での作業がある外観部分から、早速修理に掛かります。

天板(ケース部分)の錆びの補修

天板の錆びは相当なものです。サイド部分にも一部及んでいます。内部が錆びていなければ良いのですが。私は塗装ブースなんて持っていないので、錆の補修はアンプの修理とは別に屋外での作業です。天板(ケース部分)を外します。このときビスなどをなくさないように私は弱い磁石のついた100均のパーツケース(丸形)を使っています。ビスの種類が多い場合は混同しないようにいくつかのケースを準備するといいですね

天板を外したらサンドペーパーで錆を落としていきます。古い塗装も落ちますが、後で上に塗装するので気にしません。サンドペーパーを掛けるときは、適当な木片を挟んだり硬めのスポンジを挟んだりすると作業が捗ります。錆びやいたんだ塗装が落ちたら、削ってできた粉を綺麗に?拭き取ります。

エアーダスターで吹き飛ばしても良いのですが、今回はその存在をを忘れていてふき取りました。塗装がマダラに残った状態ですが(サンドペーパーの作業は、これ以上根気が続かないので)このまま次の工程「プライマーの吹き付け」(※コレ、大事!忘れないように!)に進みます。スプレーの作業は楽なので、「塗りもれ」がないように乾かせながら丁寧に3度くらい吹き付けます。

プライマーが乾いたら、塗装(艶消し黒)を吹き付けます。乾かせながら4~5度塗りします。「斑が出来ないように」と「垂れてこないように」この2点が要注意ですね。我乍ら綺麗にできました。根気の要る作業ですが、自分でやれば安くできます。

プライマーもペイントも「ホームセンターで買った安いものです」また、一度で使ってしまわないので、保管しておけば次の機会にも使用できます。フロントパネルの上部にも傷があります。これもサンドペーパーで目立たなくする必要がありそうですね。

フロントパネルの傷の補修。

汚れを洗浄しないまま、傷をサンドペーパーで目立たなくします。作業でアルミの粉が出ますので、新聞紙を敷いて粉の飛散に備えます。荒い番手から細かな番手まで何種類か使って仕上げます。途中の画像を撮り忘れました(泣)これで作業終了です。

本体の分解を進めます。

ドンドン分解していきます。注意することはビスを紛失しないこと。特殊なビスは、目印をつけて元あった位置を間違わないようにすることです。

部品面に埃はあるものの錆びやコンデンサの液漏れ等は無いようです。底面の目視では「ハンダクラック」や液漏れ痕は無さそうですね。

フロントパネルの下のボディーです。ここも特に傷みはありません。

電源ランプの修理

電源ランプが点灯しませんでしたので、修理します。同じものはなかなかないのでLEDで代用します。先ずは電圧の測定から。

矢印の処をテスターで測ります。ダイオードと電流制限用の抵抗、白色LEDです。代用品が出来ました。これを元の位置に取り付けます。テストしてOKです。

問題の「バチバチノイズの解消」に取り掛かります。

ノイズとして発せられる音の感じからおそらくは半導体の劣化と見当をつけています。基板上の部品を目視でしばらく眺めていると見覚えのある部品が目に留まりました。たぶんノイズ発生源としては有名な2SA798でしょうね。少し前のICのような風貌のトランジスタです。これは1つの筐体に2個のトランジスタが入っているもので、よく壊れる「トラブルの常習犯」的な部品です。

 

よく見れば足が真っ黒になっていますので、たぶん犯人はこのトランジスタでしょう。文字は見えにくいのですが2SA798で間違いないでしょう。間に合わせに3本足のトランジスタを2個使って代用品を作成することも可能ですが、同じものをもっていましたので早速交換してみます。この部品が犯人じゃなかったときは元のモノを戻さなければなりませんので粗末には扱えません。

 

これが外したトランジスタです。

結果は、「あっさりビンゴ!」です。経験が役に立ったようですね。綺麗な音が復活しました。パイオニアの人気のこのシリーズらしい厚みのある音です。暫く音出しして問題が出ないか確認します。あと同じシリーズで手元にあったチューナーからスイッチのノブを移植して終了です。いつもこんなにラッキーな修理ばかりではありませんが、気持ちよく直ってくれれば嬉しいですね。 

 では、また。

 

#レストア#LED化#再塗装#トランジスタ交換#2SA798#ノイズ#分解修理

 

電源の入らない「BOSE 1705Ⅱ」ステレオパワーアンプの修理を依頼されました。


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コメント

  1. Dankai より:

    こんにちは!
    SA-6800Ⅱアンプ私も持っていますが、のりなしせんべえさんの修理ブログ大変参考になります。いま修理にチャレンジしていますが、まったく電源が入らない状態です、一か月前まではきちんと動作していたのですが。たいした知識もないのでどこを弄ってよいのか悪戦苦闘しております。私のアンプの電源表示ランプも切れていて交換したいのですが、代用されているダイオードと電流制限用の抵抗、白色LEDの型番を教えて頂けないでしょうか?よろしくお願いします。

    • 管理人 より:

      ダイオードは念のため。なくても問題なく点灯すると思いますので、あとはLEDに見合う電流を流すだけです。LEDの型番は分かりません。部品箱の中に転がっていたものです。ので電流値は白色LEDの標準的なモノに合わせたと思いますし、電源が多分ACだったと思うのでDCのつもりで控えめに計算すれば壊れないだろうというテキトーな考えです。あとは、点灯が暗ければ悩みますがそこそこ明るくてつかえそうならそれでOK そこで念のためのダイオードが登場します。多分耐圧が50Vくらいで耐電流が LEDの値を満たしていたと思いますが、詳しいことは忘れました。一事が万事、発火などの大ごとにならないということに注意を払いますが、それ以外は結果オーライが私のやり方です。参考にならないと思います。ごめんなさい。