片CH不動のプリメインアンプ「ヤマハ A-550」故障個所の探索から修理まで

前回の修理チャレンジは「テクニクスの片方音の出ないアンプ」でしたが、今回は 「ヤマハのプリメインアンプ A-550」です。問題の症状は同じように 「片方のCHから音が出ない 」と言うモノです。果たして前回のようにうまくいくでしょうか?

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まずはチェックから

外観のチェックから始めます。「両サイドと背面のビスが合計で5個欠品していますねえ」恐らく私より前に誰かがいじくりまわしたものかもしれませんね。外観と同じように内部もいじくりまわしていなければいいんですけどね。「ビスをなくしてそのまま放置」というあたりが気にかかります。

内部まで酷い状態でなければいいのですが。電源ケーブルを繋いでとりあえず電源を入れてみます。電源スイッチに手をかけて(いつでもOFFできるように)身構えていますが、焦げ臭くもなく煙が出ることもありません。「プロテクター解除を確認」。「いけそうだぞ!」

「ホッと」胸をなでおろし、信号線とスピーカーケーブルを繋いで音出ししてみます。「電源ON-プロテクター解除-ボリュームを上げる」・・・やはり、片方の音が確かに出ません。スイッチをいろいろ作動させても状態は変わりません。不良は左側ですね。

センド:リターン端子

つまみをアチコチ回してみても単純な接点不良では無さそうです。一応、接点復活剤を吹き付けて様子を見てみましょうか?(この程度のことは私の前にいじった人もやってるでしょうね)ここからはもう一歩踏み込んだ確認をしてみます。プリアンプとパワーアンプ分けれそうなのでこれを利用します。

リアパネルに「信号を途中から取り出して戻すような端子(センド:リターン端子)」がありましたので、ここから信号を入れてみます。信号を途中から入れることによって、不具合がその前段にあるのか?それより後段にあるのかが本体を分解する前にわかって方針が立てやすくなります。

ここから信号を入れてスピーカーから出してみますやはり左チャンネルから音が出ません。「信号線とスピーカーケーブルを左右入れ替えての確認」もしましたが、この端子より後段の左チャンネルが怪しいですね。

本格的にバラシます。

ネジと小さな部品の紛失に注意しながら分解していきます。基盤が見えるようになったら(予め発振器の信号を確認した上で)信号を入れて測定ポイントから出てくる信号を見てみます。今回は私の経験値から左右のフェーダーコントロール用のMNカーブのボリュームから始めます。

先ほどから彼方此方触っているうちに「どうもここが怪しいんじゃないか?」と目星をつけておいた部品です。これはこれ位の経年のアンプで何度もこの部品がダメだった経験もあるからですが。右チャンネルはOKですね。やはり左チャンネル。此処で信号が途切れています。

念のために左チャンネルのフェーダーコントロールをスルー(ジャンパー)して音出ししてみます。やっぱり間違いありません。信号がが出てきましたよ。確認のためにスピーカーを繋いでみても音が出てきます。ついでにこの状態で確認できることはなるべくやっておくことにします。

修理に掛かります。

MNカーブの2連ボリュームは入手に時間がかかるものですので何とか修理できないか試してみます。もし修理が出来なければ、代替品を探さなければなりませんね。込み入った中の方の部品が修理対象になります。

パネル面のナットを外します。パネルを取り払ってからハンダを外しにかかります。ハンダを吸い取って、やっと外れました。これが不良のボリュームです。

貴重なMNボリュームです。

今から修理に掛かります。

筐体を開きます。

汚れた抵抗面です。汚れがすごいです。ブラシの方も綺麗にして少し反りを深くしておきます。

あまり強くやると壊してしまいますので手加減が必要ですね。最後に接点復活液を塗布しておきます。

テスターで動作を確認して、ボリュームの修理が終了しました。

経験値からの直感

修理したボリュームを取り付けます。ハンダは銀入りハンダを使っていますので少し艶が無い感じです。

元通り組み立てなおして音出し成功です。少し手間はかかりましたが、経験値からの直感で早く不良個所が見つかってラッキーでした。暫く音出しして、依頼者に「直ったよ」と電話する瞬間が一番の楽しみですね。 

 

では、また。

#方チャンネル不良#プリメインアンプ#フェーダーコントロール#ボリューム分解#不良個所探索#アンプ修理

 


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