「強風の早朝、金毛が冴えたカマス釣り──常連ベテランから学んだ冬の港」

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夜明け前の港に吹きつける強風と美しい月明かり

午前4時40分。まだ空が濃い群青色を残す時間帯、北向きの岸壁には強い北西風が吹きつけていた。予報では6メートル前後とのことだったが、実際にはもう少し強く感じられる。雲は疎らで、月明かりが海面を白く照らし、強風でなければ絶好のイカ釣り日和にも見えるほどの美しい景色だった。

※気象庁HPより引用

早朝の港に集まる釣り人たち

午前5時を前にすると徐々に釣り人の姿が増え、思い思いの場所にクーラーボックスを置いて釣り座を確保し、そのまま車内で待機しているようだ。この時間帯にして既に車が4台。北側の船溜まりでも車の行き来が目立ち、港は少しずつ活気を帯びていった。

強風対策で広めに取る釣り座

今回のカマス釣りは足元中心の釣りで、短めの竿でも十分狙えるため本来は釣り座を詰め気味にできる。しかし、この日は風が強く、仕掛けの流れやトラブルを考えると普段より広めに間隔を取るのが安全に思えた。周囲の釣り人も同じ考えなのか、いつもよりゆったりとした配置で釣り座が並んでいた。

90歳を超える超ベテランの気迫に背筋が伸びる

ふと左隣を見ると、この港の常連の中でも恐らく最年長と思われる釣り師の姿があった。90歳を超えているであろう超ベテランで、去年亡くなった父と同い年だと記憶している。寒さ厳しい早朝に、しかも釣り座確保のためにこの時間に現れるその元気さには驚かされる。「若い者と同じ土俵に立ち、負けじと早くから並ぶ」──その気概こそが長く若々しくいられる秘訣なのかもしれない。そう思うと自然と背筋が伸び、自分もこうありたいと感じた。

1回目・2回目の時合いで計16匹の釣果

この日の釣果は合計16匹。夜明け前後の1回目の時合いで10匹ほど確保し、風が弱まった日の出後の2回目の時合いで6匹追加した。前回釣行では後半の時合いが短時間でも比較的釣れたが、今回はやや異なるペースとなった。

とにかく強い“金毛サビキ”の威力

実釣で特に感じたのは「金色の毛針サビキが強い」ということ。左隣の超ベテランが使っていた市販の金毛サビキはヒット率が高く、私自身も錘近くに黄色の毛針を2本入れた自作サビキを使用していたが、1本を早々にハリス切れで失ったのは痛かった。金毛は朝まずめに強いという話はよく聞くが、今回は特にその効果を実感した。

スレ掛かり増加で発生する“ぐるぐる巻き問題”

気になったのは前回よりスレ掛かりが多かった点だ。スレが増えるとサビキ特有の「ぐるぐる巻き問題」が起こりやすくなり、仕掛けのトラブルで復帰に時間がかかる。ただ振り返ると、口以外に掛かった場合にぐるぐる巻きが多く発生しているように感じた。サビキは本来食わせるための仕掛けなので、口以外へのヒットは想定されていないのかもしれない。
この「スレ掛かり→ぐるぐる巻き」は、「カマスサビキ釣りあるある」として受け入れることにした。

冬の早朝に感じた“釣りの魅力”

強風の中でも釣果を拾い、常連ベテランから刺激を受けた今回のカマス釣り。冬の早朝の空気は厳しいものの、それを上回る魅力が確かにあると改めて感じた釣行だった。