前日の釣果と、晴れない気分

10月15日は、私にしては珍しく超早起き。おかげで、まずまずの釣り座を確保することができた。
アジの釣果は上々。周囲ではあまり釣れていない中、独り勝ちといってもよいほどの50尾以上を確保できた。その大半は友人たちにお裾分けし、自分用にはちゃっかり刺身サイズの良型を2~3匹キープ。これだけ釣れれば、アジ釣りとしては十分に満足できる一日だった。
ところが、欲をいえば太刀魚とカマスも釣りたいところ。せっかく良い釣り座に入れたにもかかわらず、こちらは見事なまでの不発に終わった。
特に悔しかったのがカマスだ。貴重な短い時合いに仕掛けが絡んでしまい、しばらく戦線離脱。ようやく釣りを再開したときには、すでに時合い終了という憂き目に遭ってしまった。
アジは大漁だったとはいえ、心残りも少なくない。そんな気分を引きずりながら、翌日の釣行を迎えることになった。

10月16日、寝坊から始まった朝
この日の天気予報は上々。風も弱く、アジ釣りには絶好の条件が予想されていた。とりわけ楽しみにしていたのが、長い延べ竿でのアジ釣りである。
ただし、ひとつ気掛かりがあった。砂利運搬船の接岸だ。
前夜、寝る前にいつもの船舶情報サイトを確認すると、案の定、一隻が入港して接岸中。これでは釣り座が制限されるかもしれない。前日の太刀魚とカマスの不発も重なり、すっかり意気消沈して床に就いた。
そして今朝。
目覚ましをセットした時刻より、なんと1時間も遅れて目が覚めた。
普段なら、こうなると釣行そのものが面倒になってしまうところだ。しかし、最近のアジはそこそこ釣れてくれる。何より、せっかくの釣り日和である。ここで諦めるのももったいない。
念のため、もう一度船舶情報サイトを確認してみると、夜中の満潮時に出港した様子。船の心配がなくなったとなれば、これはもう行くしかない。
慌てて支度を整え、釣り場へと向かった。

出遅れたのに、意外な空きがあった
釣り場に到着してみると、さすがに一等地は満席状態。出遅れたのだから、これは仕方がない。
ところが、少し湾奥に入ったあたりから、意外にも空きが目立っていた。
前日の釣果が思わしくなかった人が多かったのだろうか。釣り人たちは、それぞれの釣り座で隣との間隔をやや広めに取っている様子だった。
もちろん、夜明けが近づけば、いずれ隙間なく埋まっていくに違いない。それでも、今なら余裕を持って釣りができそうだ。
そこで私も、周囲との間隔を十分に取れる場所を選んで釣り座を構えた。
通い慣れた釣り場とはいえ、岸壁の中央よりも丘寄りで竿を出すのは久しぶりだ。「こんなところで、ちゃんと釣れるのだろうか」と思いつつ、まずは撒き餌を効かせていく。
水深は前回の釣り座よりもかなり浅い。しかし、最近はアジ釣りとしては非常識とも思えるほど浅いタナで好釣果を上げている。だから、水深の浅さはそれほど気にならなかった。
そして、この日のもうひとつの楽しみが、風の弱さを生かした長い延べ竿でのアジ釣りだった。
延べ竿で味わうアジとのやり取り

延べ竿で釣るアジには、リール竿とはまた違った面白さがある。
アジはハリに掛かると、比較的下へ潜ろうとする魚だ。横へ走り回られると、糸を自由に出し入れできない延べ竿では、周囲の釣り人に迷惑を掛けてしまう恐れがある。
その点、下方向への引きが主体のアジは、延べ竿でのやり取りを楽しむにはうってつけの相手といえる。
もちろん、簡単に寄ってくるわけではない。尺近い、岸から釣れる魚としてはなかなかの良型ともなれば、なかなか水面まで姿を見せてくれない。
しかし、それがいい。
竿を通して伝わる力強い引きを受け止めながら、少しずつ魚を浮かせていく。魚の姿が見えるまでの時間が長いということは、それだけ楽しめる時間も長いということだ。
釣れたり、釣れなかったりを繰り返しながら、気が付けば2時間近くが経過していた。
やがて東の空が明るくなり始めると、アジのアタリが途絶えた。
それまでの反応が嘘のように、ピタッと釣れなくなる。どうやらアジ釣りの時間は終了らしい。
さて、次はカマスか、それとも太刀魚か。
太刀魚はヒット! しかし後が続かず
アジ釣りを終え、あらかじめ準備しておいた竿に持ち替える。まずは太刀魚狙いでルアーを投げ始めた。
しばらくすると、ガツン!
この釣りならではの、はっきりとしたアタリが伝わってきた。待望の太刀魚がヒットしたのである。
ただし、上がってきたのは細身の一本。サイズには少々不満が残るものの、前日に完全な不発を味わった身としては、釣れただけでもありがたい。
問題は、その後だった。
期待してキャストを繰り返すものの、アタリは続かない。太刀魚はどうにも厳しい状況だ。
一方のカマスも、相変わらず簡単には釣れてくれない。
聞くところによると、最近は漁師が網でカマスを大量に獲っているらしい。これがどこまで釣果に影響しているのかは分からないが、プロが網で獲る魚の量を考えれば、アマチュアが一本の竿で太刀打ちするのは、なかなか難しい話である。
結局、太刀魚もカマスも思い描いていたような釣果には届かなかった。
何かしら釣れる豊かな釣り場

こうして振り返ると、この日の釣行は、アジ釣りこそ楽しめたものの、太刀魚とカマスについては苦戦の連続だった。
それでも、寝坊して出遅れたことを考えれば、十分に楽しめた一日だったと思う。
この時期に限ったことかもしれないが、この長い岸壁なら、魚種にこだわらなければ、どこかで何かしらの魚と遊べるのではないだろうか。
朝のアジ、夜明け前後の太刀魚、そして短い時合いを捉えたいカマス。それぞれに狙いどきがあり、釣り方も違う。思うように釣れない日があるからこそ、狙った魚が釣れたときの喜びも大きい。
何より、車で15分もかからない場所に、こうして釣りを楽しめる豊かな釣り場がある。
早起きに失敗しても、狙いの魚が釣れなくても、気が向けばすぐに出掛けられる。これは本当にありがたいことだ。
さて、次回はどうなるだろうか。
アジは引き続き楽しませてくれるのか。そして、今回も不発に終わったカマスと太刀魚に、今度こそリベンジできるのか。
そんなことを考えながら、次の釣行を楽しみにしている。