初冬のカマス、今年のシーズンインは少し遅めに

11月に入り、ようやくカマスが姿を見せ始めた。例年より接岸のタイミングが遅れたこともあり、釣り場にはどこか「待ちかねた」という空気が漂っている。
しかし一度群れが入ってしまえば、そこは初冬のカマスらしく脂のりも抜群で、身質も良い。刺身でも塩焼きでも、旬の味をたっぷり楽しめる時期だ。


餌釣りで魚の切り身を使うと型の良いカマスが出るが、手軽さと効率の面ではやはりカマスサビキに軍配が上がる。私も毎年この時期は専らサビキで狙うスタイルだ。手返しよく群れの回遊を捉えられる点が大きい。

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思わぬ“空振り”と、悔しさが残った一日

初接岸から一週間ほどが過ぎ、「そろそろ本番か」と意気込んでいた矢先、はるか南の海上にある台風の影響なのか、うねりが強く、カマスが口を使わない日が続いた。こうなると、いくら回遊魚とはいえ、警戒心が強いカマスはなかなか掛からない。
そんな状況だったため、昨日は「どうせ釣れないだろう」と油断して釣りをお休みにしてしまった。ところが、これが完全に裏目に出た。


昼頃、知り合いから「今日はよく釣れてるよ!」との電話が入る。慌てて道具を車に積み込んで釣り場へ向かい、なんとか5匹確保したところで、無情にも砂利運搬船が接岸。釣座のある岸壁が使えなくなり、そのままゲームオーバー。久しぶりに悔しさが込み上げた一日となった。

翌朝のリベンジ戦。気合十分も“短時合”に泣く

悔しさが収まらず、翌朝は日の出より早く釣り場へ向かった。まだ薄暗い時間に釣座を確保し、道具を準備しながら「今日はやるぞ」と気持ちを整える。

しかし自然相手とは難しいもので、この日は時合が非常に短く、期待していたような連発には至らなかった。多少は釣れたものの、正直なところ前日の鬱憤を晴らすほどではなく、不完全燃焼のまま納竿となった。

それでもまだシーズンは続く。次のチャンスを狙って

とはいえ、カマスのシーズンはまだしばらく続くはずだ。特に初冬の今は脂のりが良く、最も美味しい時期といっていい。釣れたその日に捌いて塩焼きにすると、皮目からじんわりと脂が滲み、旨味がふわりと広がる。あの味を知ってしまうと、また竿を出したくなる。
接岸の遅れや天候によるムラはあるものの、群れさえ回れば一気に時合が訪れるのがカマス釣りの特徴だ。


次こそは万全のタイミングで臨み、旬のカマスを存分に堪能したい。そんな思いを胸に、また海へ向かう日を楽しみにしている。