
釣り人にとって、自分で釣った魚を美味しく食べることは最大の楽しみの一つです。特に、鯵(アジ)は釣りやすく、手軽に調理できる魚として人気があります。私も鯵釣りが好きで、釣りたての新鮮な鯵を刺身にして楽しむのが定番になっています。
釣ったばかりの鯵を捌いてそのまま刺身にするのも美味しいですが、最近、ちょっとした「ひと手間」を加えることで、さらに風味がよくなることを知りました。それは「薄塩をして余分な水分を抜く」というシンプルな方法です。この方法を試して以来、刺身が一段と美味しく感じられるようになり、毎回このやり方で食べています。
今回は、釣りたての鯵をより美味しく刺身で食べるための下処理方法を詳しく紹介するとともに、鯵の風味の違いや釣り場による味の違いについても触れていきたいと思います。
釣りたての鯵の味は釣り場で変わる?

釣りたての鯵は基本的にどこで釣っても美味しいですが、釣り場によって微妙に風味が違うと感じることがあります。特に、私の周囲の釣り仲間の間では「浜の鯵は旨いが、港湾の鯵は少し香りが良くない」という話をよく耳にします。
冬場の水温が低い時期はあまり気にならないのですが、水温が高くなる夏場には、確かに「浜の鯵はすっきりした味、港湾の鯵は少し魚臭さがある」と感じることがありました。この違いは、おそらく鯵が生息している環境や餌の違いによるものではないかと考えています。
もちろん、港湾の鯵が美味しくないというわけではありません。ちょっとした下処理をすることで、臭みを抑え、より美味しく食べることができます。その方法が「薄塩をする」ことなのです。
鯵の刺身をさらに美味しくする「塩のひと手間」
ネットで鯵の刺身をさらに美味しくする方法を調べていたときに、「刺身にする前に軽く塩をする」という情報を見つけました。半信半疑で試してみたところ、「もともと新鮮な鯵だから臭みは少ないが、それでもさらにすっきりとした味になる」ことを実感しました。
それ以来、私はこの方法を実践しています。では、具体的な手順を紹介します。
1.まずは鯵を捌く(冊取りまで)
釣った鯵を新鮮なうちに捌きます。基本の手順は以下の通りです。
★鱗を落とす

★頭を落として内臓を取り除く(血合いをしっかり洗うと臭みが減る)
★三枚おろしにする
★皮を剥く

この時点で、普通の刺身として食べる準備が整いました。しかし、ここからが「ひと手間」の工程になります。
2.塩をして余分な水分を抜く
網やバットの上に鯵の冊(さく)を置く
直接まな板に置くと、水分が戻ってしまうので、目の粗い網などに置くのがおすすめです。
★両面に軽く塩を振る

振る塩はほんの少量でOK。まんべんなく薄く塩をふりかけます。
塩の種類は好みによりますが、シンプルな粗塩で十分だと思います。
★5分ほど置く

しばらくすると、表面に余分な水分が浮き出てきます。
★キッチンペーパーで優しく拭き取る

擦らずに、そっと押さえるようにして水分を拭き取るのがポイントです。
この工程を挟むことで、刺身の余分な水分が抜け、旨味が凝縮されます。さらに、魚臭さが軽減されて、すっきりとした味わいになります。
3.刺身に切る
この状態になったら、あとは好みの厚さに切って刺身として楽しむだけです。

おすすめの食べ方
塩をして余分な水分を抜いた刺身は、そのまま醤油とワサビで食べてももちろん美味しいですが、いくつかアレンジするとさらに楽しめます。
1.オリーブオイル&レモン
醤油ではなく、オリーブオイルとレモンで食べると洋風のカルパッチョ風に。
仕上げにブラックペッパーを軽く振ると、一気におしゃれな味に変わります。
2.胡麻醤油漬け
醤油、みりん、すりごまを混ぜたタレに刺身を漬け込むと、コクのある味わいになります。ご飯に乗せて鯵の漬け丼にするのもおすすめ。
3.生姜&ネギたっぷり
たっぷりの生姜と刻んだネギをのせて、さっぱりと食べるのも美味しいです。
ポン酢をかけても爽やかな味わいになります。
まとめ
釣りたての鯵は、シンプルに刺身で食べるのが一番美味しいですが、「軽く塩をする」というひと手間を加えるだけで、より旨味が引き立ち、魚臭さが抜けて洗練された味になります。
この方法を知ってからは、釣った鯵を刺身にするときは必ず実践するようになり、今では我が家の定番になりました。特に夏場の鯵や、港湾で釣れた鯵の風味が気になるときには、この方法がとても効果的です。
釣った魚を最高に美味しく食べるために、ぜひこのひと手間を試してみてください。きっと、いつもの鯵の刺身がワンランク上の味になるはずです!