つりという趣味には、どうしてこんなにも“ムラ”があるのだろう。つい3日前には面白いように釣れたカマスが、この日はまるで反応なし。もちろん、釣りに波があるのは分かっている。むしろ当たり前と言っていい。しかし、それでも20人以上の釣り師が同じ岸壁で同じ狙い方をしているのに、誰の竿も曲がらない光景には、さすがに肩を落とさずにはいられない。 せっかく夜中から釣り座を確保し、車中で仮眠をとりながら夜明けを待ったのに、カマスの回遊はゼロ。たぶんゼロ。タチウオのエサ釣りも渋く、早朝の時間はただ静かに過ぎていった。

とはいえ、最近はカマスやアジ、サバのストックが冷凍庫に十分あるので寂しくはない。だが“何かを釣り上げたい”という衝動には逆らえない。結局、それが釣り好きの性分というものだろう。
初めて竿を出す地元のちょいマイナー釣り場へ
そこで思い出したのが、以前から耳にしていた地元の“ちょっとマイナーな”夕マヅメのアジ釣りポイント。何度か様子を見に行ったことはあるが、竿を出すのは今回が初めてだ。 前日の晩にその釣り場へ行った知り合いに連絡をとり、タナや時合、混雑具合など最低限の情報を確保入手。波止は30〜50mほどで、最近は混むときでも4〜5人程度とのこと。ただ、どのあたりが一番釣れるのかを聞き忘れたのだけが心残りだ。 それでも、日暮れの1時間前までには現地へ着くよう準備を進めた。

夕方の波止に到着し、先端を確保
午後4時すぎ現地到着。波止の真ん中あたりではチヌ師が3人、ダンゴ釣りをしており、ほどよく釣れている様子。私は空いていた先端にクーラーを置いて釣り座確保。荷物を台車でまとめて運び、道具を配置して竿を伸ばす。

チヌ師が帰ったあと、アジ狙いと思しき釣り人が一人入ってきた。気さくな同年代で話しかけてみると、「場所はあまり関係ないよ」と笑う。しかし手際や装備からして、この釣り場に通い慣れているのは間違いない。彼を参考にすれば外れはなさそうだ。
時合は日暮れ直後、サイズは徐々に…
想像どおり、暗くなって電気ウキが見え始めるころに時合がスタート。鯵釣りは知らぬ間に4〜5人が並んでいた。まずは大きめのアジが釣れて、その後時間が経つにつれてサイズが徐々に小さくなる独特の流れ。よその釣り場も似たものだが途中で大・小が入り交じることもある。ここの特徴は“時間軸で明らかにサイズダウンしていく点だろう。
ただし、朝マヅメには再び大型が回遊するらしいので、どこかのタイミングで魚の動きが切り替わるのだろう。
気づいたこと——サビキよりエサ釣りが強い
釣りながらもう一つ分かったことがある。それは、この釣り場ではサビキよりエサ釣りのほうが数もサイズも良いということ。私は今回はサビキの下カゴで挑んだが、常連のエサ釣りとでは明らかに差があった。
次回は上カゴの吹き流し仕掛けで試してみて、それでもダメなら素直にエサ釣りに切り替えたほうが良さそうだ。

心地よい釣り場、だが帰りの道のりで実感…
帰宅して気づいたのは、ここが自宅から思ったより遠いということ。行きは気にならなかったが、帰りの車では距離を強く感じた。今まで通わなかった理由を改めて実感した釣行となった。 それでも、釣れ方の特徴も面白く、雰囲気の良い釣り場だったので、またタイミングを見て訪れたいと思う。
