釣れない秋に奇跡が起きた!早朝の波止でイサキ2匹をゲット

目覚まし時計を午前2時にセットした。
「そこまで早く起きて、いったい何をするの?」と思われるかもしれない。
答えはもちろん、釣りである。
しかも、釣り場までは車で15分ほど。決して遠い場所ではない。それなのに、なぜ午前2時に起きて出かけるのか。
理由はただ一つ。
少しでも良い釣り座を確保したいからだ。

釣れる可能性の高い場所で、少しでも早く竿を出したい。釣り人なら、この気持ちはきっと分かってもらえるだろう。
今年の秋は、とにかく魚が少ない
ところが、今年の初秋は近年になく釣果が振るわない。
例年なら、そろそろ太刀魚の回遊が始まっていてもおかしくない時期なのだが、今年はその兆しさえ見えない。
「今年は遅れているだけだろう」
そう思って待っているのだが、なかなか姿を見せてくれない。
太刀魚がまだ来ないのなら、せめて秋の気配とともに夏の間は渋かった鯵の釣果が上向いてくれてもよさそうなものだ。
ところが、こちらも期待したほどではない。
夜明け前から波止に並んだベテラン釣り師たちの竿を見ても、20センチクラスの中鯵が1匹釣れれば良い方。
たまに5~6匹も釣れようものなら、「今日は大満足」と言って帰らなければならないような状況である。
それでも波止へ行ってしまう
「それなら、釣れる場所へ行けばいいじゃないか」
そう思うのも当然だろう。
しかし、近隣の釣り場をあちこち探してみても、状況は似たり寄ったり。
どこへ行っても、これといった釣果が期待できない。
こんな時、波止釣り師たちは本当に行き場がない。
「魚が釣れないなら、釣れるようになるまで待とう。それまでは別のことをして楽しめばいい」
そんなふうに余裕を持って構えられる人は、ある意味うらやましい。
しかし、そうはいかない。
竿を持って波止場に座らなければ気が済まない。
魚が釣れるかどうかは別として、海を眺めながら竿を出していたい。
私も、まさにそんな釣り人の一人である。
ここ数日、海に小さな変化が……

そんな「釣れない秋」にも、少しだけ変化が現れ始めた。
ここ2~3日のことらしい。
それまでポツリ、ポツリと釣れていた小ぶりなマイワシやカタクチイワシが、どうやら少しずつ数を増やし始めたという。
そして、さらに気になる情報が入ってきた。
イワシの群れと一緒に、イサキも回遊してきているらしい。
イサキといえば、梅雨の時期にごく短期間だけ回遊してくることがある。
ところが今年は、どういうわけか秋口にも姿を見せ始めたようなのだ。
これは気になる。
いや、気にならないはずがない。
そんな話を聞いていたところ、昨日、友人から電話がかかってきた。
「イサキ釣れたぞ」
聞けば、なんと尺クラスのイサキを2匹釣ったという。
その話を聞いた瞬間、当然ながら血が騒いだ。
「これは行くしかない」
そう思った。

そして午前2時に起床
というわけで、冒頭の話に戻る。
午前2時に目覚ましをセットし、まだ夜も明けない時間に釣り場へ向かった。
釣り場まで15分程度なのだから、もう少しゆっくり出てもいい。
それでも早く行く。
なぜなら、少しでも良い釣り座を確保したいから。
今年のように魚影が薄く、限られた場所に魚が回遊してくる状況では、釣り座の選択が釣果を左右する。
友人が尺クラスを2匹釣ったという情報もある。
期待するなという方が無理な話だ。
暗いうちから釣り場に入り、狙いを定めて竿を出す。
あとは、魚が回ってくることを信じて待つしかない。
奇跡的に良いサイズのイサキが2匹
そして――。
幸運にも、その期待が現実になった。
なんと良いサイズのイサキを2匹ゲットすることができたのである。

今年の初秋は、とにかく魚が釣れない。
太刀魚の気配もない。
鯵も思うように釣れない。
そんな状況の中でのイサキ2匹。
これはもう、私にとっては十分すぎるほどの釣果である。
「早起きして良かった」
心からそう思える瞬間だった。
もちろん、これで秋のイサキが本格的に回遊してくるようになったと断言することはできない。
太刀魚がいつ姿を見せるのかも分からない。
鯵の群れがいつ上向いてくるのかも分からない。
海のことだから、明日はまた状況が変わっているかもしれない。
それでも、今回のイサキ2匹は、釣れない日々を過ごしてきた波止釣り師にとって、久しぶりに味わう嬉しいニュースだった。
魚が釣れないからといって、釣り人の気持ちまで沈んでいるわけではない。
むしろ、釣れないからこそ「次は釣れるかもしれない」と海へ向かってしまう。
そして、ほんの小さな変化を聞きつければ、午前2時に起きてでも確かめに行きたくなる。
それが波止釣りの魅力なのかもしれない。
さて、今回イサキが釣れたことで、海の中にも少しずつ秋の変化が始まっているのだろうか。
次に狙うのは、もちろん鯵。
そして、まだ姿を見せない太刀魚にも期待したい。
「そろそろ秋の爆釣が始まるのではないか」
そんな淡い期待を胸に、また目覚まし時計をセットすることになりそうだ。