例年のことですが、梅雨時には産卵期を迎える魚が多いらしく、鯵も抱卵して旬の時期を迎えるようですし、少し前のゴールデンウィークの頃にはチヌやタイの仲間の乗っ込みの時期もありました。梅雨時にはコロダイも抱卵して乗っ込みを迎えるようで、元々砂浜のあった海域を埋め立てて造営されたこの港湾施設にも大型のコロダイが回遊してきます。
この釣り場に長く通う先輩が考え出したコロダイのカットウ釣りで大型の個体を狙ってみたいと思います。実際、ここ2~3日考案者の先輩は連続して大型のコロダイを持ち帰っています。私は野暮用で参戦できていませんでしたが、先輩から送られてくる釣果の画像を見せられてウズウズしながらの今年のコロダイ初釣行と言う事に。
何年か前に、先輩に倣って初めて60オーバーのコロダイをゲットしていましたが、去年は浜の鯵釣りに夢中で期間の短いコロダイ釣りには参加できず。一年空けて今回の釣行となりました。さて、前日に思い出しながら仕掛けを自作します。残念なことに先輩が独自に考案した仕掛けですので画像はネット上に公開することはできませんが、仕掛けは柔らかめな錆に強い針金(私の場合は錫の針金)を使って作ります。先輩はたぶんステンレスの針金で作っていると思います。
カットウ用の餌はサビキ釣りの撒き餌と同じもので賄います。今回はこのカットウ仕掛けのほかに芝エビを使ったぶっ込み仕掛けも投入しておこうと思います。一通り準備して早めに床に就きます。久しぶりの釣行が楽しみでなかなか寝付けないとは思いますが。
午前3時に起床して
セットしていたタイマー通りに午前3時過ぎに目が覚めました。歯磨き洗顔も早々に車に乗り込みます。釣り場までは約15分。今のところサビキ等で釣れているのは豆鯵やアイゴの小さいヤツ。稀に20㎝程度のマルアジも交じりますが、それぞれ思ったような釣果につながらないのか?並んで釣っているのは超常連の2~3人。全員顔見知りです。
釣り座に就く前に一通りインタビューを試みますが、各自渋い顔です。ただ、先輩はまだ来ていません。彼の話だと暗いうちにももちろんチャンスはあるが本番は明るくなってから陽光が差し込むまでだとか?この日は曇り気味でしたので、時合いは長いのかな?空振りに終わってしまうのかな?
そろそろライトなしで手元の作業ができそうになってきたころ先輩がやってきました。私は(並んでいるメンバーが)みんな私よりキャリアの長い大ベテランですので「間隔が少し広めだな!?」とは思いながらも間に割り込まずに端っこの丘寄りに釣り座を構えていましたが、先輩は気にせず古参メンバーの間に入って釣り始めています。実は先輩も此処では古参株です。
「コツッコツッ」と手ごたえが
「やっぱり、そっちで釣ったほうが良いんかいな?」先輩に聞いてみたら「どこでも釣れる。どこで釣っても同じこと」と。それよりも「撒き餌を効かせて魚を集めることに徹するほうが良い。」と言います。ここは、連日大物を上げている先輩の言う事を守ったほうが良いでしょう。ほかのことは気にせずこまめに投入を繰り返します。
10分以上経過したでしょうか?「コツッコツッ」と手ごたえが竿に伝わってきます。「撒き餌カゴをつついているな!?」ハッキリとそう感じられるようになってきました。なかなかタイミングが掴み難いのですが思い切って「コツッ」ときたときに思いきりシャクリあげてみます。
何かにヒットしました。「掛かった!掛かった!」「おう!やったな!」先輩が振り返った時に急に軽くなりました。外れたようです。「掛かりが浅かったな!」「次がある。次がある」自分に言い聞かせて「気持ちを取り直して」再び投入を繰り返します。「外れた騒ぎで場を荒らしたのか?」一旦アタリが遠のきましたが10分もたたないうちに再びアタリが出始めました・・。そして「ここぞ!」と思った瞬間に思いきりシャクリ上げました。
思ったより大きな魚体
掛かった時は相手も意表を突かれたのか少し大きめな鯵が釣れた程度の手ごたえでした。ただ、走り始めてからの引きが凄かった。仕掛けは大仕掛けで糸も竿も多少の大物にもびくともしない段取りでしたがグイグイと引っ張れば身切れが心配になる程です。
釣りあげてから気づいたことですが、幸いにも顎の下のシッカリした部分に引っ掛け針が2本食い込んでいましたので身切れの心配がない状態でかかっていました。かなり強引に水面まで浮かして隣で釣っていた知り合いにタモ入れを頼みます。ただこのタモ入れにハプニングがついていました。「魚がタモに入ったのは良いのですが、タモが竿から抜けてしまいました」タモは私のタモでしたからきちんと組まれていなかったのは私のミスです。
また、一からタモ入れのやり直しです。しかも厄介なことに初めのタモが仕掛けに引っかかってそれを避けながら魚だけをタモに入れなければなりません。ここに救世主が。離れたところで釣っていた見知らぬルアーマンがタモ持参で駆けつけてくれて無事取り込んでくれました。
『お名前も存じ上げませんが今回はお世話になりました有難うございます。』
釣り上げた魚は72cm。確かに大物でした。
今年は魚影が濃いらしい
このコロダイ、魚種から言えばイサキの仲間らしい。なので身は白身。刺身は淡白で癖がない。釣ってスグよりも2~3日後のほうが旨いかも。加熱調理ならバリエーションも広くたいていの料理に合うと思う。今回の魚は抱卵していて大きな卵が入っていた。けどコレステロール厳禁の私なので食べることができませんでした。残念。
先輩の話だと例年、ワンシーズンに1尾か2尾釣れれば御の字ということらしいが今年は先輩で60㎝を頭にすでに4尾。しかも旬は7月末の梅雨の末期がピークらしいのが今年は6月末から始まっていてまだまだこれからという感じだとか。私も「もう1尾くらい釣れたらいいな」って、欲を出しています。
コロダイは80センチぐらいが最大という話なので、これ以上の大物を望むのは無理なのかもしれません。また今回のように「釣ってくる」と言ってその通りに釣れることなんてそうそう起こりえることではありませんので私の今シーズンのコロダイはこれでおしまいなのかもしれませんが、釣りに行く以上は夢を大きく持っていくべきですよね。で、また釣れたりしたら・・
では、また。