台風の被害の全容が判りきっていないうちに大きな地震が起きてしまいました。
犠牲になられた方も多く居られるようです。
ご冥福をお祈りいたします。
テレビでニュースを見ていたら
給水車に並んで水を貰っていました。
十分足りているのだろうか?
ぜいたくを言う人は居ないと思いますが、
持ち帰っている量を見ても全く十分とは思えない気がします。
ただ水は重いので
「自由にお持ち帰りください」と言ったとしても
女性やお年寄りには限度があります。
以前にも紀州の食べ物について書いたことがあったように思いますが
この機会に一つ、紀州の先人の知恵。
知恵だけでなく
現代の私たちも好物と言っていいほど好んで食べている食べ物があります。
それは「茶粥」です。
茶粥なら貴重な水も有効に使えます。
茶粥は主食であって水分も取れますし、
お茶で炊いていますので緊急時におかずがないときでも
そのまま食べても食べ飽きしません。
暑い時には冷まして、寒い時には熱いまま食べてください。
茶粥の作り方
茶粥の良いところの一つは
「米をほぼ洗わずに炊くのが当たり前」のところです。
もちろん災害とかで汚れたお米は汚れを取ってから炊くのは当然ですが、
「古米」とかご飯にすればあまり好ましくない風味のお米でも、
お茶で炊きますから気にならずに食べれます。
また、残り物のご飯(硬くてもいたんでいなければ)からでも
茶粥が炊けます(お米から炊くより早い。ある意味省略版です)ので、
ご飯が無駄になりません。
この場合もお茶で炊くから気になりません。
ただし、いたんだものは「茶粥といえども」NGです。
手順
①お米と水
お米と水、お茶の葉を用意します。
お茶は番茶が理想ですが、無ければお茶なら何でもOKです。
ペットボトルのお茶で炊いても良いですよ。
お米1合に対して水が5リッター位でしょうか?
少なくても少しくらい多すぎても気にしません。
※私は米1合に水5リッター位が好物ですが、
力仕事が多かった義父は米1合に水2リッター位が好きだったようです。
この場合は、かなりねっとりします。
このタイプの茶粥は冷やせばデザートのようで別のうまさがあります。
水とお米と袋に入れたお茶(ティーパックでも可)
紀州には専用の「ちゃん袋」と言って
粗い布の袋を布の紐でで縛る茶粥専用の袋を売っていますが、
煮出し用の袋なら何でも構いません。
ただし、炊いている途中に茶葉がこぼれたら
悲惨なことになりますので、お茶の袋には要注意です。
最近は、やかん用のお茶の葉パックも売っているようです。
それがあれば楽勝です。
因みに私の家で何度かお茶パックが破れたことがあって
嫁の話では、それを食べてしまうのが大変だったようです。
私はまったく気にしませんでしたが。
②大鍋にぶっこんで
私の家では、すべてを大鍋にぶっこんで炊いてゆきます。
途中、煮えてきたら吹きこぼれがおこりますが、
そのときには火を緩めて吹き、
こぼれが起きないように調整して炊き続けます。
お茶が濃くなりすぎるようでしたら、
良い加減でお茶の袋を取り出しておきます。
時々お米の粒を取り出してみて、よく煮えていたらそれで完成です。
紀州の炭焼き職人の「茶粥」が炊き上がりました。
③炊き上がったら
炊き上がったらかなり熱いので
「やけど」に気を付けて食べごろになるまで保管します。
冷たくするには冷まして冷蔵庫で冷やせば
「夏にはたまらない」主食になります。
炊き立ての熱い茶粥しかない時、
私の孫たちは氷を浮かせてもらって喜んで食べています。
おかずは、
梅干し、醤油をかけた削り節(私はカツオ節よりサバ・ムロアジ節)、
金山寺味噌(おかず味噌)、たくあん、どれをとっても(茶粥も)
非常食か緊急食糧のイメージですよね。
でも、むかしは普段の食事だったものですから
エネルギーはかなりのモノなはずです。
④ご飯を炊くには
ご飯を炊くには、
飽食に慣れた私たちはお米の味には敏感ですよね。
古米や保管の悪いお米は食べれないというのはよく解ります。
そんな時こそお茶を少し濃くした茶粥にすれば無理なく食べれます。
緊急時に贅沢は言ってられません。
また、茶粥は普通のお粥より水分量が多いので、
水分の補給にも役立ちます。
また米を研がずに炊きますので、
米ぬか(コメの栄養分が豊富)も食べますので栄養的にも優秀です。
食の細い高齢者や
幼児にも呑み込むように食べれますので食べやすいです。
食器も1個で済みますのであとも楽です。
水分が多いので水を多く使うのでは?と思いますが、
使った水は全部食用ですから無駄にはなりませんし、
ご飯なら普通の米を炊くには「コメを研いだ水」は食用にはなりませんので、
そう考えるとご飯は水が無駄になっていますよね。
ただ一つ問題
ただ一つ問題があるとすれば、
水分を多く摂れますので、
普段の食事の場合は「茶粥を食べた後」はトイレが近くなります。
ただ、水分が十分に取れない緊急時にはそんな心配は要らないかもしれませんね。
避難等で寝床が変わってなかなか眠れないかも、
ストレスで食欲が減退してるかも、
そもそも食事が十分行き渡らないかもしれません。
せめて、そんなときにでも温かな茶粥を食べて温まって、
若しくは冷たい茶粥を食べて涼しくなってホッと一息つてくださいね。
私は、腹ペコには極端に弱い人間ですので、
それだけに空腹の辛さは痛いほどわかります。
辛いときにもせめて「茶粥」でお腹だけは膨らませてください。
では、また。