浜の鰺釣りに通い始めて4年たつでしょうか。初めのころは習った釣り方一つを覚えて実践するのがやっとでしたが、この頃はいくつかの釣り方から自分なりに気に入った釣り方を試せるようにもなりました。
最近気に入っているのが下カゴ(下錘)で釣る釣り方です。遠投するときにはギリギリまで道糸を巻いてもウキより下のサビキの分が「垂らし」として長めに残ってしまう仕掛けで釣ります。そして錘は仕掛けの一番下についています。
普通に投げる時には垂らしが少し長くても飛距離に大きな影響は無いでしょうが、この場合には電気ウキと下カゴについている錘の2カ所に重心ができますので飛距離が伸びません。またシャクリもカゴが下に位置することから大きくシャクらないと上の針まで撒き餌が届かないと思えてしまいます。
下カゴの方がよく釣れる?
サビキで鰺釣りをするときに下カゴ仕掛けで釣る場合について書いてみます。実際の釣りシーンにおいて上カゴと下カゴを比べた場合に「下カゴはサビキの疑似針の範囲に投入時に一気に撒き餌の煙幕を作ること」ができます。
これに比べて上カゴはサビキの範囲全体に撒き餌の煙幕を作るには、自然な撒き餌の沈下を待たなければなりません。この点では下かごに分があるように思えます。特に魚が底の層にいることが想定される場合には魚のいる層に直接撒き餌を効かせることが出来ますので効率的だと言えそうです。
ただ、このような状態が実現されて釣果に結びつくためには潮の流れが緩い事が条件に挙げられます。ウキの付いたサビキ仕掛けは仕掛けごと潮に流されていきますので撒き餌が流されても仕掛けが同じように流されて同調できれば問題は無いのですが、仕掛けより早く撒き餌が流れて行ってしまえば煙幕の中に仕掛けが入っている時間も短くなってしまいます。
じゃあ上カゴはどうなのか?
上カゴも仕掛けの一番下に錘が付いている場合は重心は撒き餌カゴと錘の部分とサビキの下にある錘の部分とで重心が二つになってしまいます。重心に関しては下カゴと大差ないように思えます。大きく違うのはサビキに対して撒き餌が上から降下してくるということです。
「投入時には下カゴは撒き餌がサビキ全体に煙幕を張ることができる」と書きました。これに対して上カゴは撒き餌の沈下を待って煙幕がいきわたることになります。この時点では下カゴが有利なように思われますが、投入時の煙幕が拡散してしまった後に撒き餌カゴから出る撒き餌は上カゴなら自然にサビキの周りを沈下していきますが、下カゴの場合はシャクらなければ仕掛けの周りに撒き餌が届くことはありません。
しかもシャクリは釣り人が手前に引っ張る動作になりますから、必然的に仕掛けが丘に向かって動いてしまいます。しかも上カゴの場合は小さく揺らす程度で良いのですが、下カゴになれば錘の付いたかごを大きくジャンプさせる必要があって、その分否応なしに仕掛け全体が釣り人の方に寄ってしまいます。
下カゴは投入数を多く
このように下カゴは投入時は有利なもののその後のシャクリや潮に乗せて流すのには不利な面が多くありますので、(下カゴを使うなら)適度な撒き餌の量を入れて投入数を増やすことが釣果アップの否決になるでしょうか。
これに対して上かごは潮に乗せて流しても撒き餌と仕掛けが同調できる可能性は高いのですが、上カゴでも仕掛けの下に錘がある場合は水中でサビキが垂直に近い形になっていますから、撒き餌との同調はイマイチなんですね。特に潮の流れが強い時には。
これを解消するために私は(縺れを防ぐ意味から)針の数を減らしたサビキを上カゴ上錘の仕掛けに天秤を介して「吹き流し」(サビキの下に錘を付けない)にセットして釣っていますし、名人は同じような上かご上錘のテンビン仕掛けにサビキは長さをそのままにして針の数を適宜減らしたサビキの下に(縺れ防止用の)小さな錘を付けて釣っています。
この「私と名人の二通りの」仕掛けは重心もほぼ一カ所で遠投も容易ですし、撒き餌と仕掛けが同調し易いので「潮の流れが速い日によく使う釣り方」になっています。
潮の流れを見極めて
こんな風に潮の流れの緩い日には私は下カゴで釣ります。これに対して潮の流れがある程度以上に速い日には(私は)「上カゴ吹き流し」です。ただ、吹き流しで釣る場合には仕掛けがピンと張っていない分、針掛かりが浅くなる感じで針ハズレが多発するように思いますので、私はウキが消し込んだら糸を張り気味にして竿に魚の感触が伝わってから(リールを)巻き始めるようにしています。
11月27日は波の予想はそれほどでもなかったものの現地に行ってみれば少し波がある様子です。波があれば折角針掛かりした鯵をサメに取られる心配は少なくなるかな?ただ、波がある分鯵が喰ってくるポイントは遠くなります。浜では午後6時ころにちょうど地域の有線放送が聞こえてきてこの日は釣り始めたのが丁度そのころでした。
今回ははサメを警戒して上かごの吹き流しで釣り始めます。5尾くらい釣った時点でサメの気配も無く潮の流れも緩いことから仕掛けを下かごに変更して投げます。仕掛けを変えた時にはアタリも止まって「これは失敗したかな?」と思ったけれどすぐに喰いも復活してくれました。
仕掛けの変更が功を奏して
仕掛けの変更が良かったようで「ほとんど入れ食い状態」で釣れ続きました。投入後すぐにアタリのある場合や暫く待って喰ってくるようなパターンの違いはありましたが、帰り際に知り合いに「帰る」と告げに行くと「よく釣れていたなあ」と返してくれました。色々聞かれましたが知り合いたちはサビキの種類が気になるようでそのことが話題の中心に。
今回よく釣れたのは仕掛けを早めに変更したからで、サビキが良かったという事ではないと思うのですが、やはり気になるのはサビキの事なんでしょうかねえ。そして「良く釣れた日は早めに帰ろう」と7時半に納竿としました。早めに帰れるという事は疲れが全然違います。これは有難い!いつもこんな風だといいんですがねえ。
今回は潮の流れ方を見て早めの仕掛け変更が功を奏しました。こんな風に上手くいくことはそう度々あるとは限りませんが今夜は満足できる楽しい釣りでした。
では、また。
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