「釣りバカ日誌4」と和歌山・戸津井の思い出 〜映画の舞台で釣りを楽しむ〜

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1991年12月に公開された「釣りバカ日誌4」。スーさん(鈴木一之助/三國連太郎)と浜ちゃん(浜崎伝助/西田敏行)の名コンビが織りなす、釣りと人情が絡んだ物語が人気のシリーズです。この作品が公開されたのはもう30年以上前。当時は私も若かったですが、月日の流れを感じますね。

「釣りバカ日誌」シリーズは22年間も続き、日本の映画史に残る長寿シリーズとなりました。「4」は、スーさんと浜ちゃんの掛け合いがさらに円熟味を増してきた頃の作品で、改めて見ても面白い。個人的に思い入れが深い作品でもあります。

今回は、この「釣りバカ日誌4」のロケ地となった和歌山県由良町戸津井の釣り場について振り返りながら、映画の魅力や思い出を綴ってみたいと思います。

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「釣りバカ日誌4」の舞台:和歌山県由良町戸津井

「釣りバカ日誌4」の主なロケ地の一つが、和歌山県由良町戸津井の釣り宿や岸壁、十九島(つるしま)前の筏でした。映画を見た方なら、あの穏やかな海と、のどかな漁村の風景を覚えているかもしれません。

意外なことに、今ではこの映画のロケ地としての知名度はそれほど高くないようです。実際に戸津井の釣り場で若者に映画の話をしても、「ふーん?」という反応が返ってくることが多く、少し寂しく感じることもあります。でも、それも仕方ないことかもしれませんね。30年も経てば、世代が変わり、昔の映画を知らない人が増えるのも当然です。

私自身、当時は仕事で近くの「衣奈(えな)」という地域に通っており、ロケバスを何度も見かけていました。しかし、残念ながらその頃は釣りには興味がなく、わざわざロケを見に行くこともありませんでした。今になって思えば、もったいないことをしたなと感じます。

戸津井の釣り場:チヌ、グレ、アオリイカ…豊富な魚種

※和歌山県HPより引用※

映画のロケ地となった戸津井の波止(防波堤)は、釣り人にとって魅力的なスポットです。

外向き(沖に面した側):チヌ(黒鯛)、チャリコ(マダイの幼魚)、グレ(メジナ)、アオリイカなど

内向き(港内側):小アジ、小サバ、時期によってはカマスなど

ターゲットとなる魚種が豊富で、季節ごとに違った釣りが楽しめます。最近では、道路や戸津井大橋も整備され、アクセスも「釣りバカ日誌4」の頃に比べると格段に良くなっています。

このエリアは、のんびりと釣りを楽しむのに最適な場所です。海が穏やかな日には、ボーッと竿を垂らしているだけでも心が癒されます。映画のロケ地巡りを兼ねて釣りに訪れるのも面白いかもしれませんね。

映画のストーリーと戸津井での釣りシーン

さて、「釣りバカ日誌4」のストーリーを振り返ると、今回の中心人物の一人は宇佐美和彦(尾美としのり)。彼は鈴木建設営業三課の社員で、一之助(スーさん)の甥にあたります。

そんな和彦が、太田八郎(中本賢)の妹・町子(佐野量子)と駆け落ちし、由良(戸津井)へ向かいます。これを追って、スーさんと浜ちゃんが迎えに行くという展開。

この物語の中で、戸津井での釣りシーンが挿入されるのが印象的でした。和彦と町子の関係が進展する中、彼は鈴木建設を正式に退職。その後、和彦と町子の結婚披露宴の最中にドタバタが発生し、最終的に浜ちゃんの妻・みち子(石田えり)が無事「鯉太郎」を出産するというオチでした。

シリーズらしい、コミカルで温かみのあるストーリー展開ですね。

「釣りバカ日誌」シリーズの魅力

「釣りバカ日誌」は、単なる釣り映画ではなく、釣りを通じて人と人がつながるドラマ**が描かれているのが魅力です。

スーさんと浜ちゃんの関係は、単なる上司と部下を超えたもので、釣りを通じて生まれた「もうひとつの家族」のような存在でした。ときにはぶつかり合い、ときには助け合いながら、それぞれの人生を歩んでいく様子が多くの人の共感を呼びました。

シリーズは全20作+スペシャルと、長く愛され続けました。昔の作品を見返すと、時代の空気や風景が感じられるのも楽しみの一つですね。

また戸津井の波止へ釣りに行きたい

改めて「釣りバカ日誌4」を見直すと、昔の和歌山の風景や、自分が若かった頃の思い出が蘇ってきました。あの頃、ロケバスを何度も見かけながら素通りしてしまったことが少し悔やまれます。

今になって釣りの魅力を知ったからこそ、改めて戸津井の波止に行ってみたくなりました。チヌやアオリイカを狙ってのんびり竿を出し、あの映画のシーンを思い浮かべながら釣りを楽しむ…そんな時間を過ごせたら最高ですね。

30年経っても、「釣りバカ日誌」は色あせない魅力を持っています。そして、釣りの楽しさもまた、いつの時代になっても変わらないものだと思います。

さて、次の休みにでも、久しぶりに戸津井の波止へ釣りに行こうかな。