本命タチウオはまさかの食い逃げ……最後にサバとマルアジで一矢報いた朝

釣行の準備を万端に整え、早めに就寝。
天気予報では「1ミリ程度の雨が降り続く」という予報だったので、朝になっても雨ならどうするか……そんなことを考えながら眠りについた。
ところが、目を覚ましてみると雨は止んでいる。
こうなると、もう「行かない」という選択肢はない。
「まあ、途中で降り始めたら合羽を着ればいい」
いつものように少々安易な考えで釣行を強行することにした。

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雨予報の波止に先行者なし

釣り場に到着すると、予報が予報だけに先行者の姿はない。
「やっぱり今日は空いているな」
と思ったものの、ふと別の考えも頭をよぎる。
誰もいないということは、誰も釣れていないということの証左なのかもしれない。
そんな嫌な予感を抱きながら釣座を構える。
しかし、私が到着してほどなくすると、見慣れた常連さんたちが次々と姿を現した。
雨が降ろうが、釣れなかろうが、とにかく竿は出したい。
そんな「釣り好き」ばかりである。
このところ常連の間で流行しているのが、タチウオの餌釣り。
餌にはキビナゴやイワシなど定番のものを用意しているが、やはりみんなの気持ちは同じだ。
「豆アジやイワシを釣って、それを泳がせるのが一番」
ということで、タチウオ仕掛けを投入しながら、もう一本の竿ではサビキ釣り。
これが最近の定番スタイルになっている。
ところが、この日はその肝心の小魚が釣れない。
豆アジも、イワシも、その他の小魚も、ほとんどアタリがない。
仲間の中には小アジを1匹、2匹と釣り上げる者もいたが、それで泳がせ釣りを成立させるにはあまりにも寂しい釣果だ。
そして、肝心のタチウオからも反応がない。

待望のアタリは、まさかの食い逃げ

そんな状況が続いたまま、夜が明けようとしていた。
もう今日は厳しいかな……。
誰もがそう思い始めた頃だった。
夜明け前、私のタチウオ仕掛けに、突然それらしいアタリが出た。
一度だけの、明らかに魚を感じさせる反応。
誰の竿にもアタリがない状況だっただけに、待望の魚信に一同が注目する。
「来たか?」
「タチウオじゃないか?」
期待が一気に高まる。
その場にいるみんなの期待を一身に背負い、じっくりと食い込むのを待つ。
ここで焦って合わせてはいけない。
タチウオ釣りでは、この「待つ時間」も醍醐味の一つだ。
そして十分に待ったつもりだった。
そろそろ……と思って仕掛けを確認すると――
まさかの食い逃げ。
仕掛けからは、タチウオの気配だけを残して魚が消えていた。
何とも悔しい。
あれだけ待ったのに……。
結局、その後は誰の竿にも目立ったアタリはなく、夜も明けてタチウオの時合いも終了。
私にとっては、何とも悔いの残るタチウオ釣りとなってしまった。

それでも諦めきれず、朝のサビキへ

さて、タチウオが終わったからといって、すぐに帰るのも何だか悔しい。
「夜明け後に何か釣れる魚はいないものか?」
往生際が悪いと言えばそれまでだが、この日の私はとにかく竿を置く気になれなかった。
仲間たちが早々に引き上げていく中、私は一人でズボ釣りを続行。
足下に仕掛けを落としてサビキをしてみる。
しかし、これもしばらくは無反応。

普通ならここで諦めるところだが、なぜかこの日はもう少し粘ってみようという気持ちになった。
そして今度は、投げサビキに変更。
沖へ仕掛けを投入し、ウキの動きを眺めながらひたすらアタリを待つ。
日の出から約1時間。
午前6時半頃だった。
投げ始めて10投以上はしていただろうか。
その時、ウキに反応が出た。
「おっ!」
仕掛けを回収してみると、掛かっていたのはサバ。
しかも、波止釣りとしてはなかなか良い型だ。
タチウオを逃した悔しさを抱えていただけに、この1匹は嬉しい。
さらに続いてマルアジも姿を見せた。
これはラッキーだ。
俄然やる気が出てきた。
「この調子なら、もう少し数を狙えるかもしれない」
気持ちをすっかり数釣りモードに切り替え、再び仕掛けを投入する。
ところが、ここで思わぬ展開が待っていた。

大型作業船の登場で強制終了

仕掛けを投げ、次のアタリを期待していると、目の前に大型作業船が現れた。
これでは釣りを続けるわけにはいかない。
「本日はここまで」
まだまだ釣れそうな雰囲気だっただけに少々残念ではあるが、仕方がない。
タチウオには食い逃げされ、小魚にも苦戦。
それでも最後の最後に良型のサバとマルアジを釣ることができた。
大満足とはいかないものの、何とか最後に一矢報いることができたので、気分よく帰途につく。
釣りというのは、最後まで何が起こるか分からない。
「今日はダメだった」と諦めかけたところから、思わぬ1匹が釣れることもある。
だからこそ、ついついもう一投、もう一投と竿を出してしまう。

今回もまさにそんな釣行だった。
本命のタチウオを仕留められなかったのは心残りだが、次回こそは食い逃げされないよう、しっかりと仕留めたい。
そして、また懲りずに早起きして波止へ向かうことになりそうだ。