白に茶色の紋の猫

肩ひじ張らない涼しげな語り口が気に入って、

時々訪れるページに猫の話があったので触発されて書いています。

私の家は、家業の関係でモノが多く、

ネズミの被害を防ぐ意味でいつも猫を飼っていました。

10年以上生きる猫が当たり前のこの頃と違って

私たちの感覚では、5年も飼えれば長い方で近所の農家でも

6年7年飼ってる猫はかなりの年寄猫と思われていました。

5-6年周期で猫が入れ替わりましたので、何匹もの猫との色々な思い出があります。

どうしても今名前を思い出せないオス猫がその中にいて、

様々なことが思い出せるのにあいつの名前だけが出てこない。困ったもんです。

白に茶色の紋が入った猫で、妹が可愛がってシッカリ食べさせたので近所でも一番の権太猫に育ちました。

父親の商売相手の靴が気に入らなかったのか?靴におしっこをかけてみたり、

近所の猫と派手な喧嘩を繰り広げたり。挙句には近所の犬に喧嘩を売ったり。

しばらくすると、近所の子猫にうちの猫の白茶によく似た模様が何匹か見られるようになり、

大活躍が想像されるようなボス猫に成長していました。

壮年期だったのでしょう。歩く姿も堂々として

肩のあたりの筋肉を見せつけるように歩いていました。

冬になればお風呂の湯船の蓋(3枚に分かれるタイプ)の上がお気に入りで

いつもそこで居眠りをしていました。

あるとき、湯船の蓋の掛かりが悪く、外れて居眠り中の猫が熱湯の中へ。

ガス窯の風呂は上部ばかりが熱く撹拌してやっと入浴できる温度になる仕組みでしたので、

チンチンの湯の中に落ちた訳で熱かったのでしょう。

「ギャーギャー」云って家中を駆け回っていました。

走り回る猫を見てるだけで、どうすることも出来なかったのを覚えています。

家族みんな「これは、死ぬかもしれないな?」と思う気持ちは一緒で、

全員重苦しい気持ちに耐えていました。

しばらくして猫は、どこかに隠れてしまいました。心配して探しても見つかりません。

1週間ほどたったある日ひょこっと現れました。妹は泣いて大喜びです。

ただ、毛の抜けた猫は、余計に細く見えました。

どうやら、逃げ込んだ場所を私たちの母が見つけて、

内緒で水を運びあり合わせの薬を付けて看病していたようです。

それでも、ある程度傷が癒えるまで食べ物は食べなかったといいます。

「野生は強いなあ」母親がしみじみと語っていました。

ふたたび毛も生えてボス猫に返り咲いた猫は、その2-3年後

年老いて動けなくなり、玄関に毛布を敷いて家族で看病していましたが、

ある夜抜け出して帰ってきませんでした。

今、私の家には9年目のメスのキジ猫が暮らしています。

#三毛猫#キジ猫#ボス猫